クレヨンの街 【3】
- 2008/03/28(Fri) -
■夜しか見えないクレヨンの街

僕は旅に出た。
まだ見ぬクレヨンの街に行くために。
近づけば近づくほど遠ざかるクレヨンの街を目指して。

shuppatsu.jpg


クレヨンの街へ行く長い一本道。
日が暮れてくると共に街の影は浮き上がり、はっきりと見えてくる。
しかし、街は遠ざかる。
はしっても はしっても。
赤いゼンマイの車で今日もカタカタ進む。
少しづつ。
少しづつ。
焦ることもなく。カタカタと揺られて。

終わりだと思えば、いつもここが終着点。
始まりだと思えば、いつもここが出発点。

きっと今僕は、月明かりに照らされて、
心の中の希望がぼんやりと透けて、黄色く見えるに違いない。

【出発/Illustration by mama】


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クレヨンの街 【2】
- 2008/02/10(Sun) -
■白い砂の向こうにはクレヨンの街

僕は旅に出た。
まだ見ぬクレヨンの街に行くために。
近づけば近づくほど遠ざかるクレヨンの街を目指して。

pastel.jpg



クレヨンの街へ行くまでに、長い一本道がある。
真っ白な砂の上に、綺麗に舗装された道路が一本長く長く続いている。
日が暮れてくると、舗装された道路の横に伸びている街灯に黄色い灯がともる。
それはときどき、カラフルに、赤や青やオレンジや緑、色々な色に見える。

僕は真っ白な道路を、ゼンマイの車でカタカタ進む。
ぼんやりとクレヨンの街の影だけが見える。
きっと今僕は、日が暮れかけた夕日と、
青く染まりかけた空に照らされて、透き通って見えるに違いない。

【路/Illust&Photo by mama】

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クレヨンの街【1】
- 2008/02/04(Mon) -
■僕は旅に出た。

まだ見ぬクレヨンの街に行くために。
近づけば近づくほど遠ざかるクレヨンの街を目指して。

forest.jpg


クレヨンの街へ行くまでの森には温度感がない。
冷たいわけでも、暖かいわけでもない。動物もいない。
ときどき、ゼンマイの車が街へ行くために通り過ぎるだけ。
もちろんそれらは、家へと帰る車ばかり。
カタカタ カタカタ  と音をたてながら、日が暮れそうな森を走るゼンマイの車。
音は森に静かに響き、やがてゆっくりと消えていく。

通り過ぎた車の音を聴きながら、むねいっぱいに、深い深い深呼吸をする。
木々の間から差し込むオレンジ色のかすかな日差しを、
たくさん、たくさん、体に染み込ませながら、
僕は森の中を、ゼンマイの車でカタカタ進む。
きっと今僕は、オレンジ色した太陽のように見えるに違いない。

【FOREST/Illust&Photo by mama】

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